主宰者の紹介

大庭哲治（Tetsuharu OBA），教授

  • 京都大学大学院 経営管理研究部 経営管理講座
  • 京都大学大学院 工学研究科 都市社会工学専攻（兼担）
  • 京都大学 工学部 地球工学科（兼担）

略歴

2000年に京都大学工学部地球工学科卒業，2002年に京都大学大学院工学研究科修士課程修了，2006年に京都大学大学院工学研究科博士後期課程修了．博士（工学）．三菱UFJリサーチ＆コンサルティング（株）（旧（株）UFJ総合研究所）研究員，京都大学大学院工学研究科助教，准教授，京都大学大学院経営管理研究部准教授を経て，2024年より現職．2018年より大阪公立大学大学院（旧 大阪市立大学大学院）都市経営研究科で非常勤講師も務める．また，2012年には客員研究員として米国・ジョージア工科大学公共政策学部に滞在する．持続可能で強靭な未来の都市・国土づくりを実現するために，都市情報を活用した実証研究や現場での実践研究に取り組む．専門領域は，都市・地域計画，都市交通計画，土木計画学，空間情報学など．

主な担当科目

学部

「計画システム分析及び演習」（工学部）
「測量学及び実習」（工学部）

大学院

「リモートセンシングと地理情報システム」（工学研究科）
「プロジェクトマネジメント」（経営管理大学院）
「Project Management」（経営管理大学院）

非常勤講師

「地域交通論」（大阪公立大学大学院都市経営研究科）

メッセージ

現代社会は，人口減少，急速な都市化，気候変動，新技術の革新など，複雑で多様な課題に直面しています．これらの課題に対応し，未来の社会経済活動を支えるためには，都市や国土，インフラを単なる資産としてではなく，堅牢で効率的に管理可能な基盤システムとして再定義することが不可欠です．本研究室は，土木工学の計画系研究室として，工学と社会科学の両面からアプローチし，この挑戦的なテーマに取り組む場です．

持続可能で強靭な未来の都市・国土づくりを目指し，都市情報を活用した実証研究や現場での実践研究に取り組んでいます．(1) 都市・国土計画と社会基盤整備，(2) 都市再生・保全，(3) 都市強靭化，(4) 地理空間情報やデジタル都市基盤の利活用，をテーマの中心に据え，学際的かつ国際的な視野で，計画論，政策論，方法論を深く探究しています．また，得られた研究成果を社会に還元し，実際の課題解決に役立てることにも力を注いでいます．

本研究室では，理論的な分析力や実践的な解決策を構築する力を養うだけでなく，国・地方自治体や企業・団体との連携プロジェクトに参加する機会，最新技術を活用した都市解析，多文化環境での議論などを通じて，広い視野と現場で役立つスキルを身につけることができます．さらに，これまでの枠組みにとらわれず，自分の視点や興味を生かした新しいアイデアを自由に提案できる環境を整えています．

社会に役立つ専門知識と実践的スキルを身につけ，「都市」や「社会」という舞台で，未来を創造する一歩を踏み出してみませんか？私たちは，未来を共に創るために努力を惜しまず果敢に挑戦を続ける仲間を歓迎します．研究室を訪れることが，あなた自身の成長と新たな可能性を切り拓く第一歩になるかもしれません．ぜひ一度，研究室を訪れてみて下さい．

主要論文・著作

  • Avrami, E.[eds.] (2019). Preservation and the New Data Landscape, Columbia University Press.(分担：Perspectives on Data in Urban Historic Preservation Policy(Douglas S. Noonan and Tetsuharu Oba))
    ISBN：978-1-9413-3248-1
  • Tetsuharu Oba and Douglas S. Noonan (2020). The Price of Preserving Neighborhoods: The Unequal Impacts of Historic District Designation, Economic Development Quarterly, 34(4), pp.343-355.
    DOI：https://doi.org/10.1177/0891242420941932
  • Tetsuharu Oba and Hiroyuki Iseki (2020). Transportation Impacts on Cityscape Preservation: Spatial Distribution and Attributes of Surface Parking Lots in the Historic Central Districts, Journal of Urban Planning and Development, 146(2).
    DOI：https://doi.org/10.1061/(ASCE)UP.1943-5444.0000559
  • ⼤庭哲治 (2020). 着⼿・完了・抜柱時点を考慮した無電柱化事業が周辺地価に及ぼす因果的影響, ⼟⽊学会論⽂集D3(⼟⽊計画学), 75(6), pp.I_181-I_190.
    DOI：https://doi.org/10.2208/jscejipm.75.6_I_181

リンク

ORCID ID：0000-0002-0954-814X
J-Global ID：200901035608935076
researchmap URL：https://researchmap.jp/read0134837
京都大学 教育研究活動データベース：https://kdb.iimc.kyoto-u.ac.jp/profile/ja.48ac10fa89212b15.html
京都大学経営管理大学院：https://www.gsm.kyoto-u.ac.jp/faculty/318/

研究室の運営方針

  1. ビジョンとミッション
    ビジョン：持続可能で強靭な未来の都市・国土を共創する．
    ミッション：都市情報を活用した実証研究と現場での実践研究を積み重ね，その成果を社会に還元することで，実際の課題解決に貢献する．
  2. 研究・教育の方針
    1. 教育方針
      • 学生一人ひとりの個性を尊重し，主体性を育む．
      • 国内外からの学生を歓迎し，多様な価値観を尊重する．
      • 研究室主催のイベント（講演会，研究会，親睦会，アラムナイ）を通じて，研究室内外での豊かな人的ネットワークを形成する．
      • 都市計画や土木・建設関連の分野に貢献できる有能な人材を育成する．
    2. 研究方針
      • 自由な発想を歓迎しつつ，責任感を持って研究を進める．
      • 学術的な理論を現実の課題解決に結びつける．
      • 関連する国内外の先行研究に敬意を払いつつ，研究の新規性を追求する．
      • 学位論文は個別研究であるが，研究の遂行にあたっては，研究室内外のコラボレーションやチームでの取り組みを推奨する．
      • 産学官連携による共同研究・開発を強化する．
      • 研究の推進にあたり，研究倫理を的確に理解しそれを遵守する．
    3. 必要なスキル・知識と求める人物像・姿勢
      • 都市や国土，インフラに係る課題への興味・関心．
      • （可能であれば）都市計画，交通計画，土木計画，計量経済学，（空間）統計学，空間情報学，データ科学をはじめとした幅広い知識．
      • （可能であれば）GIS（地理情報システム）やR言語，Pythonなどに関する知識とスキル．
      • チームワークや挑戦する意欲．
      • 自律的に学ぶ態度，社会貢献意識や好奇心．
  3. 学部生・大学院生
    • 自由な議論や共同作業を通じて，学び合う環境を重視しています．
    • したがって，研究室ゼミはもちろんのこと，研究室主催のイベントにも積極的に企画・参加してもらいたいと考えています．
    • 学位論文の研究テーマは，教員と学生が情報を持ち寄り，相談をして決めます．新しい視点を持ち込んでくれることを多いに期待しています．
    • 研究活動に励むことは，得られる研究成果の質や量を高めるのみならず，学生自身の成長にも大きな影響を及ぼすと考えています．
    • 大学院入試のための受験勉強や就職活動に配慮する一方で，適切に時間管理をすることを希望しています．
    • 研究室訪問を歓迎しますので，お気軽にご相談下さい．
  4. ポスドク・研究生
    • 本研究室が，ポスドク・研究生の専門性をさらに深化させ，次のキャリアステージへ飛躍するための足掛かりとなる場所になれればと考えています．
    • ご興味をお持ち頂けましたら，お気軽にご相談下さい．
    • 多様なバックグラウンドや視点が新しい風を吹き込むことを期待しています．
  5. 研究者，行政・企業の皆様
    • 研究者の皆様とは，共同研究や情報交換を通じて，学術的な挑戦を共に進めたいと考えています．
    • 行政・企業の皆様とは，政策提言や実装を視野に入れたプロジェクトを通じて，社会課題に具体的な解決策を提供したいと考えています．
    • オープンな対話と多様な視点を重視していますので，関心をお持ちの方がいらっしゃいましたら，ぜひお気軽にご相談下さい．
  6. 研究室ゼミ
    1. 位置付け
      • 学術的な知識の深化だけでなく，実践的な課題解決能力を育む場．
      • 学生同士，教員，外部ステークホルダーとの活発な議論を通じて，独自の視点や革新的なアイデアを生み出す場．
      • 多分野の知見を融合し，都市・国土やインフラの課題を多面的に捉えるスキルを育成する場．
    2. 運用
      • 開催頻度：前期・後期ともに原則として週1回，定期的に開催．
      • 開催形式：対面形式を基本とし，必要に応じてオンライン形式も活用．
    3. 参加対象
      • 学部4回生から修士・博士後期課程までの研究室に所属する学生全員．
      • 外部講師．
      • 専攻・分野を問わず興味のある方で，教員が参加を認めた方．
    4. 内容
      • 毎週2～3名が個々の研究の進行状況を発表し，教員や他の学生からフィードバックを受ける．
      • 研究テーマに関連する最新の論文や資料を読み込み，全員で議論する．
      • 研究公正や論文検索など，研究遂行のための知識・スキルを共有する．
      • 特別講義・ワークショップなど，外部講師を招いた講演やハンズオンセッションを実施する場合もある．
  7. 研究環境
    • 2025年度から，研究環境を整備していきます．
    • 基本的に1人1台のパソコンや必要なソフトウェアを整備します．
    • 必要な文献やデータは，教員と相談の上，利用することが可能です．
    • 京都大学の図書館を積極的に活用することを推奨しています．